概念推しの研究部屋

何が、人に「キレイ」のように感じさせるかを考えています。

キレイなものを追いかける

丸い月を帰り道に見ると、きれいだなあと感じます。上弦の月も同様です。
しかし、同じ月であっても、左側が光る下弦の月はそう思えるところが少ないのです。
月は月でも、サブキャラ、地下アイドル的なステイタスです。
私の中ではいまのところメインになりません。

これは決して、下弦の月ディスるのではありません。
私に対して、サブキャラ、地下アイドル的なステイタスであると感じさせる要因があるということにすぎないということです。
だから、今後その要因を取り去る、上書きする要因が来たらメインキャラになり得る可能性が十分あるということです。丸や上弦の月にきれいと感じなくなるような、逆もあるかもしれません。

 そんな、要因を含んだものを密やかに持って推すという、概念押しという言葉が存在することを、最近知りました。これは、推しのタレントを団扇で声援するというのとは異なり、タレントの要素を持った物を密かに所有することで推すというものです。
 概念推しにたどり着いた経緯は、ネットで「概念」を検索したからです。言葉の意味がなんだっかた、自信がなくなるので、しょっちゅう検索しているのですが、ついつい、派生しているものまでみてしまいます。その過程で出会ったのが概念推しです。
 私は、芸能情報に疎く、市中でだれだれが歩いている、すれ違ったよと指摘されても見つけられないことが殆どです。そんな残念な私にも、追いかけるほどではありませんが、偶然点けていたテレビに出ていると、必ず出演が終わるまで観てしまう好きなアーティストは複数います。
 ただし、アーティストを連想する物を所有するではなく、経験を共有したいと思うことが多いです。例えば、歌に出てくるお店に行きたいと思い、タフでありたいと筋力トレーニングしなくてはなど決意します。
 だから、もしも、そのお店が廃業してしまうことは、歌に詠まれるほどの景色が起こす感動を再現できないとなると悲しいと感じます。もしも、筋力トレーニングをしなくてはと思わせるアーティストが身体的ダメージを受け、治療をうけるために病院で見かけるというシチュエーションがあったとしたら、悲嘆し、おそらく見なければよかったと思うことでしょう。勿論、人として、お大事にという気持ちが当たり前にあることは大前提です。

 この概念推しという言葉は、持っている要因を共有することも推し活であるということを認めてくれます。追いかけるという熱量が高い活動でなくても、良いと許してくれる言葉です。それまで追いかけるイコール推し活と思っていた私の中に、私だって推し活やっているんだと、胸を張って言える自信を回復させてくれました。

 ところで、この概念推しについては、芸能、アスリート、アーティストが対象になることが一般的と考えてます。それが、次第に学術的な活動をしている方についても対象になり得ると思うようになってきました。
 これは、研究を行う際に、先行研究を行うことが一般的だからです。先行研究では文献、論文を引用します。引用は、論文である成果を構成しているので、引用する著者を、概念押しをするようなものです。

 そうなると、研究は、概念押しをすることである、ということに、ますます楽しさを覚えてきます。